私たちの過去、現在、未来 エペソ2章1-10節



 1章では、神の救いのご計画を過去(選び)、現在(贖い)、未来(万物を一つに集める)という視点から見ました。今回は、私たちの救いを過去(キリストを信じる前)、現在(神がどのように救いに導いてくださったのか)、未来(救いの目的)という視点から見ていきましょう。

 私たちはキリストを信じる前はどのような状態にあったのでしょうか。

 第一に、霊的に死んでいたということです。肉体的には生きていても、神から離れ、神から失われていたということです(参 2:12)。パウロは「背き(パラプトーマ)」と「罪(ハマルテヤ)」によって、そのような状態にあったと「聖書的診断」(O’Brien)を下しています。

 第二に、奴隷とされていたということです。三つの力に支配され、生活を方向づけられていたということです。その一つ目は、「世(コスモス)」です。自分でしっかり考え判断して行動しているようで、実は神に背を向けた「世界」と「時代(流れ)」の価値観に影響されていたのです。

 二つ目は「空中の権力を持つ支配者」、つまり「悪魔」です(4:27,6:11)。悪魔は、キリストの十字架によってすでに敗北していますが(参 コロサイ2:14-15)、なお巧妙にその影響力を働かせ、私たちを罪へと陥れようとしているのです(参 Ⅰペテロ5:8)。

 三つ目は、「肉」です。堕落した罪深い性質のことです(参 ガラテヤ5:16-21)。「肉」は私たちの内側から働きかけ、「世」は外側(環境)から働きかけ、「悪魔」はその両方に働きかけ、私たちを神に反抗させ、罪のうちを歩ませ、「不従順の子ら」(2,3節,5:6)としていたのです。

 第三に、神の怒りのもとにあったということです。神の怒りは、人間の怒りのように気まぐれで予測不可能なものではなく、また報復的なものでもありません。ご自身の義に基づくものであり、罪に対する公正なさばきです(参 5:6)。

 パウロは、以前の私たちの状態が絶望的であったことを述べたあと、「しかし、神は」と、劇的な変化と希望を述べています。かつての悲惨な状態がよく理解できないなら、神がなしてくださったことのすばらしさも理解できないでしょう。

 第一に、神は何をしてくださったのでしょうか。私たちを「救われた」(5,8節)ということです。どちらも完了形であり、過去の結果が継続していることを示しています。具体的には、霊的に死んだ者を生かし、奴隷状態から解放し、さばきを受けるべき者を赦してくださったということです。

 第二に、なぜ神はご自身に反抗していた者を救われたのでしょうか。その答えを示す四つの類語を見ることができます。一つ目は「あわれみ」(4節)です。二つ目は「愛」(4節)です。その大きな愛はキリストの死によって明らかにされています(ローマ5:8)。三つ目は「恵み」(5,8節 1:7)です。四つ目は「慈愛(クレーストテース)」です。同じ語は、他の箇所では「いつくしみ」(ローマ2:4など)や「親切」(ガラテヤ5:22)と訳されています.

 

 - 第三の救いの手段、第四の救いの目的については省略 –


          このメッセージは2026.3.22のものです。