神の導きによる結婚 創世記24章1-67節
主はアブラハムにイサクの子孫を約束しておられましたが、その約束の第一歩がイサクの結婚でした。イサクがリベカと結婚したのは40歳のときです(25:20)。二人の結婚には、主の確かな導きの御手があることがわかります。神は結婚に関わった人たちの信仰をつなぎ、二人を結婚へと導かれたのです。彼らの信仰を順に見ていくことにしましょう。
第一はアブラハムです。彼は、主が花嫁となる娘へと導いてくださるとの信仰をもって「最年長のしもべ」を送り出しています。すでに老人となっていたアブラハムは、最も信頼し、人生経験の豊かなしもべにイサクの嫁さがしという責任を託し、厳粛な「誓い」(3,9節)をもって送り出しました。
アブラハムが指示した花嫁の条件は、今寄留しているカナンの地の娘ではなく、自分の親族の娘の中から選ぶようにということです(3-4,37-40節)。イサクが先住のカナンの文化や宗教に同化していくことがないように、また神の祝福を受け継ぐにふさわしい娘を親族のうちから、ということです。後にモーセは、出エジプトした民に、先住の民のカナン人との婚姻関係を強く禁じました。それは民が偶像礼拝へと引き込まれないようにするためでした(参 申命記7:3-4)。
アブラハムは、主がご自身の御使いを遣わし、しもべの「旅」の目的を「成功させてくださる」(40節)という信仰をもってしもべを送り出したのです。
第二はアブラハムのしもべです。主人から重大な使命を託された匿名のしもべの信仰は、その祈り(12-14節)や二度の礼拝(26,52節)に見ることができます。目的の地に着いたしもべはまず「私の主人のアブラハムの神、主よ」と呼びかけ「恵み」(12,参 14,27,49節)を祈っています。そして、イサクにふさわしい娘が誰かわかるように具体的な導きを祈っています。神はしもべの祈りが終らないうちからすでに働いておられ、彼は祈ったとおりのことを体験することになります。そして、その娘はアブラハムの兄弟「ナホル」の孫娘「リベカ」であったのです(15,24節)。しもべはリベカとの出会いを導いてくださった神をほめたたえ、礼拝をささげました(27、48節)。
第三はリベカの家族です。リベカの兄(ラバン)と父(ベトエル)の信仰は、「主からこのことが出たのですから」(50節)や「主が言われたとおりに」(51節)とのことばから、リベカとイサクの結婚において神の導きの御手があることを認めています。
第四はリベカです。彼女の「はい、行きます」(58節)とのことばに信仰を見ることができます。家族の思いに反して(55節)、彼女はかつてのアブラハムのように「父の家を離れて」(12:1)、まだ見たこともない男性がいるカナンへと嫁ごうと決意しているのです。
最後はイサクです。彼の信仰は、しもべから報告を受けて、彼が連れ帰って来たリベカを「妻」として受け入れ、「愛した」ことに見ることができるでしょう。
結婚は人生における最も大きな選択の一つです。これらか結婚しようとしているクリスチャンたちには、「一緒に神の御前を歩んでいける相手だろうか(信仰や価値観の共有)」とよく祈って判断してほしいと思っています。また、すでに結婚しているカップルには、イサクの、「妻」とした女性を「愛した」という順序に注目してほしいと思います。私たちの愛情は不安定なものです。イサクが妻(夫)として迎えた伴侶を「愛した」ことを思い浮かべる必要があります。
このメッセージは2024.12.29のものです。